ロレックスは1905年創業のスイスの時計メーカー。
完全防水の「オイスターケース」、「自動巻き(パーペチュアル)」、「デイトジャスト」の「ロレックス三大発明」により実用時計に革新をもたらし、世界一の時計会社となりました。
ブランドファイナンス社(英国)が毎年発表するブランド力ランキングによると、2020年のアパレル部門では、第一位はロレックスとなっています。
これは時計業界のみならず、ナイキやエルメスといった全てのアパレル系企業を含めた中でのNo 1ということになります。
<2020年ブランド力ランキング・アパレル部門>
順位 | 会社 |
1 | ロレックス |
2 | グッチ |
3 | ナイキ |
4 | ルイ・ヴィトン |
5 | エルメス |
ブランド力が強いということは、その企業の商品(時計)価値が下がりにくいことも意味します。
そしてこのロレックスの商品の中で、元値に対し最も高い資産価値を持つとされるものが「コスモグラフデイトナ」。
今回は「デイトナ」とはどんな時計なのか、どれほどの資産価値があるのか、を簡単にご紹介します。
目次
コスモグラフ・デイトナの歴史と特徴
「デイトナ」は1963年に誕生したロレックスのカーレース用スポーツコレクション。ロレックスで唯一クロノグラフ(ストップウォッチ機能)とタキメーター(時速計測ベゼル)を搭載したモデルで、正式名称は「オイスターパーペチュアル・コスモグラフ・デイトナ」と言います。もともとロレックスは、アメリカの宇宙開発「アポロ計画」のために、1961年にクロノグラフモデル「コスモグラフ」を発表していました。これは「コスモス(宇宙)」と「グラフ(記録)」を合わせたロレックスの造語。しかしNASAの審査でオメガの「スピードマスター」に敗れると、カーレース用モデルに方針転換。1959年にアメリカ・フロリダ州・デイトナビーチに作られたレースサーキットに、ロレックスはタイムピースとして参加します。 これをきっかけに、「デイトナ」の名をクロノグラフモデル「コスモグラフ」に冠し、「コスモグラフ・デイトナ」が誕生しました。「オイスターパーペチュアル」というのは、1926にロレックスが実用化した完全防水「オイスターケース」と、31年にロレックスが発明した「自動巻き(パーペチュアル)」のこと。つまり「自動巻き防水時計」を意味します。
この「デイトナ」の特徴は、世界最高峰と言われる実用性とデザイン性、そして圧倒的な人気と資産価値。全てのロレックスの時計の中で一番の人気を誇り「キング・オブ・ロレックス」とまで呼ばれています。ロレックスのスポーツモデルは、市場価格が正規価格(定価)を大抵上回っていますが、「デイトナ」に関しては別格に高騰しています。ロレックスは生産数を発表していませんが、流通量を抑えていることも市場価格を押し上げる要因となっています。現行モデル「Ref.116500」は2016年に発売された6世代目になりますが、「デイトナ」は過去モデルが特に高騰しており、ポール・ニューマンが愛用したとされる3世代目モデル「Ref.6263」の市場価格は1,000万円にも昇ります。
デイトナ5世代目「Ref.116520」
デイトナ6世代目「116500LN」
税込正規価格1,387,100円に対し、市場価格は300万円台前半辺り。白ベゼルの方が20万円程高くなっています。
まとめ
「コスモグラフデイトナ」は、需要が供給を遥かに上回っていることがわかります。上の動画によると2019年6月時点での買取価格は230万円程で、定価に対する換金率はなんと181%。贅沢品を購入したはずが、逆に資産増加という結果に。現在ロレックスは、世界中の全てのアパレル系企業の中で最強のブランド力を持つ会社、というデータもあります。そもそも正規価格(定価)で購入することは不可能に近く、今後も上がり続ける保証もありませんが、これだけのブランド力、資産価値を誇るのであれば、「ステータス付きの時計預金」という考えもありなのかもしれません。ですが、結果的に資産が増えることはあっても、狙って増やすにはやはり無理があるでしょう。単価が高すぎます。ロレックスをこよなく愛する資産家のみが購入できる嗜好品であることに変わりはないと思われるます。